「舟武」よりご挨拶

【舟武の由来】

もともと実家が芝浦で漁師をやっていました。
カウンターの上にその当時の「櫓(ろ)」(屋号入り)を飾っておりますが。握り手のところがヒノキ、水につかる方は赤カシで造られたものです。

子供の頃、お天道様の出る日は毎日 漁を手伝ってました。
夏はうなぎ、穴子、ワタリガニ、冬は海苔の種付けのためにベカ船に乗りました。

昔の釣りは面白かった。
品川あたりの伝統的な漁の仕方で「ボサ漁」ってご存じでしょうか?
ボサとは、木や竹笹の枝を束ねたもので、それを海に沈めて、数日おいてから
静かに網ですくい上げると、ボサに住み着いたカニやエビ、小魚が獲れるんです。

漁師の家で8人兄弟の末っ子に育った私は、就職するも会社勤めが肌に合わず、料理人の道に入りました。荏原町で最初に店を出すときのことです。ちょうど羽田沖の空港整備のため、実家が漁をやめてオカに上がるということになりました。そこで「櫓(ろ)」が不用になったので店で飾るのにちょうどいいと思って、もらってくることにしたのです・・・

櫓1

お客様が、飾った「櫓」を見ると、
「昔、よく親父に連れられてハゼを釣ったよ」とか言われることがあります。
それほど私にとって船は身近なものでした。

その店を始めたころ、常連さんとの付き合いで、南房総の州崎へ釣りに行きました。南房総は波が荒くて、漁師の家に育った私が船に酔って吐いて大変だったのですが・・
釣りたての魚を店で出したら、お客さんがたいそう喜んでくれたのです。
そのとき「これなのかな。。」と、”釣り魚の店”で今に至っています。

毎週、定休日の前の晩は、店を閉めるとその足で魚を釣りに向かいます。
夜明けとともに釣り始めるのでその日は徹夜になってしまいます。
それを30年続けてきました。


店を始めてから、千倉の漁師さんと仲良しになって、いただいた竿があるんです。
真鯛のしゃくり竿で、鯨のひげでこしらえた銘入りの逸品です。
40年以上前のものらしいのですが、丈夫で折れません。
しゃくれないほどの大物がかかったときは、竿をロープで結わいて、竿ごと海に投げ込むんです。しばらく船で引っ張って弱らせてから引き上げます。

豪快な釣り方で面白いですね。


舟武は新鮮な魚をメインに美味しい料理をご提供させていただいたきます。
昭和45年の舟武開業以来、いかにすれば、魚を美味しく食べることができるか、日夜研究を重ねております。
お客様が舟武にお越しいただいた際には、美味しい魚を堪能いただけると信じ、ご来店をお待ち申し上げております。

 

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